【令和8年度】労働保険年度更新|申告方法・納期限・納付方法

「労働保険の年度更新」とは、労働保険料(労災保険料と雇用保険料)の申告手続きのことです。ここでは、労働保険の年度更新の概要、労働保険料の計算方法、申告時期と納付時期、延納が可能な事業主などについて紹介します。

賃金集計時に注意する点については、別記事で説明しています。 → 令和8年度 労働保険年度更新|賃金集計のポイント

労働保険の年度更新とは

労働保険料は、原則として、1年度(毎年4月1日~翌年3月31日)に一度、申告します。この申告手続きを年度更新といいます。

年度の始めに、その年度の労働保険料を見積額で申告し、年度が終わってから、実際にかかった保険料を計算します。そして前年に申告納付した保険料との差額を清算するわけです。継続事業では、これを毎年繰り返していきます。

年度の始めに申告する方を「概算保険料」、年度が終わってから申告する方を「確定保険料」といいます。

概算保険料が100,000円で、確定保険料が120,000円の場合、20,000円を支払って清算することになります。

概算保険料が150,000円で、確定保険料が140,000円であれば、差額の10,000円は還付を受けることができます。また、その10,000円を当年度の労働保険料や一般拠出金に充当することも可能です。

労働保険料の計算方法

一般の事業の場合、労働保険料(労災保険料と雇用保険料)は「労働者に支払った賃金」に保険料率を掛けて計算します。

労災保険料労災保険の対象者に支払った賃金総額×労災保険料率
雇用保険料雇用保険の対象者に支払った賃金総額×雇用保険料率

労災保険料と雇用保険料の対象者

正確に年度更新を進めるためには、まず労災保険と雇用保険の対象者を把握する必要があります。
労災保険料・雇用保険料・一般拠出金では、賃金集計の対象となる労働者の範囲が異なります。

労災保険料全ての労働者
雇用保険料雇用保険の被保険者
一般拠出金※全ての労働者

※一般拠出金とは
アスベスト健康被害者への給付に充てるため全ての事業者が負担するものです。アスベストに直接かかわりのない業種の会社でも負担義務があります。
一般拠出金の保険料率は「0.02/1000」で固定されており、確定保険料とともに申告・納付します。

賃金の集計方法

前年度(前年4月~3月)の賃金を、1ヶ月ごとに集計していきます。賞与についても、支給月ごとに集計します。

このとき、雇用保険の被保険者とそれ以外の労働者(雇用保険に加入していないパート・アルバイト)を分けて集計します。

賃金を支払った人数も1ヶ月ごとに集計していきます。労働保険料の申告書には、労働者の人数を記載する欄があるためです。

集計は、Excel等を使うと便利です。厚生労働省のサイトからも集計表をダウンロードできます。給与計算ソフトによっては自動計算ができるものもあります。

確定保険料の計算方法

前年度の賃金が集計できたら、確定保険料を計算します。

労災保険料全ての労働者に支払った賃金(1000円未満切り捨て、以下同じ)×労災保険料率
雇用保険料雇用保険被保険者に支払った賃金×雇用保険料
一般拠出金全ての労働者に支払った賃金×0.02/1000

労災保険料率と雇用保険料率は?

労災保険料率は、業種ごとに異なります。また、年度ごとに見直されます。
令和8年度の労災保険料率は、令和7年度と変更はありません。
自社の業種の労災保険料率を確認したいときは、厚生労働省のサイトをご参照ください。

雇用保険料率も、年度ごとに見直されます。
令和8年度は、雇用保険料率が変更されているため、注意が必要です。同じ賃金総額を使うときでも、料率が変わると保険料も変わるからです。

令和8年度の年度更新では、下表の料率を使用します。

確定保険料令和7年度の雇用保険料率 14.5/1000
概算保険料令和8年度の雇用保険料率 13.5/1000

※上表の料率は、一般の事業のものです。建設業等では料率が異なります。

年度更新申告書に雇用保険料を記入するときに、確定保険料の金額(令和7年の料率)を概算保険料(令和8年度の料率で計算する)の欄に転記してしまわないよう、注意してください。

→雇用保険料率が変わります【2026年4月】(令和8年)


なお、一般拠出金の料率は0.02/1000です。
一般拠出金は、確定保険料とともに申告します。

各保険料率は、5月頃に各事業所に郵送される年度更新申告書に印字されています。

概算保険料の決め方

概算保険料は、その年度の労働保険料の見積り額です。

当年度の賃金予測額が前年と大きく変わらないとき(前年度の2倍未満、かつ1/2以上)は、前年度の賃金と同額を記入してよいことになっています。

なお、前年度の2倍未満または1/2以上であっても、当年度分として見積もった額があれば、その額を記入することもできます。

年度更新の提出期間、労働保険料の納期限・納付方法

年度更新申告書の提出期間

年度更新申告書は、6月1日から7月10日までの期間に、事業所を管轄する労働局、労働基準監督署に申告します。

申告書を直接持参して提出するほか、郵送や電子申請もできます。

労働保険料の納期限

労働保険料は、6月1日から7月10日までの期間に納付します。納期限は7月10日です。(一括納付の場合、または延納する場合の第1期分)

保険料が延納できる事業主とは?

概算保険料が40万円以上の事業主は、3期に分けて延納(分割納付)ができます。それ以外の事業主は一括で納付する必要があります。延納をするか否かは、年度更新申告書に記入欄があります。
なお、延納が可能な事業主であっても、一括で納付することができます。

延納する場合の法定納期限は、7月10日・10月末日・1月末日です。
ただし、その日が金融機関休業日の場合は、納期限が次の金融機関営業日となります。

労働保険料の納付方法

労働保険料を納付するには、納付書による現金納付、口座振替、電子納付があります。

納付書による納付:
金融機関や郵便局に納付書を持参して支払う方法です。

口座振替:
会社の銀行口座から振替納付(自動引き落とし)する方法です。
口座振替をするには、事前に口座振替依頼書による手続きを済ませておく必要があります。

電子納付:
会社のPCや金融機関のATMから、ペイジー(pay-easy)により電子納付する方法もあります。
ペイジーでの納付には「収納機関番号」「納付番号」「確認番号」が必要です。

年度更新申告で間違えやすい箇所

年度更新でありがちな間違いを紹介します。

・保険料率が変更されているのに、概算保険料と確定保険料で同額を記入してしまった。
・賃金を支払日ベースで集計してしまった。
・賞与を集計に入れていなかった。
・一部の労働者のみに支給された臨時賞与を集計していなかった。
・兼務役員について、役員報酬部分も含めて集計してしまった。
・他社に出向中の労働者も、自社の労災保険料計算に含めてしまった。


労働保険の年度更新は、毎年行う重要な手続きです。

賃金集計の仕方や保険料率の適用を間違うと、保険料に過不足が生じ、修正申告につながることがあります。年度更新を正確に行うためには、まず全体の流れを理解し、適切に賃金を集計する作業が大切です。

なお、賃金集計時に迷いやすいポイントについては、以下の記事にまとめましたので、ご覧いただければと思います。 

また、自社で申告している時間がない、集計や申告に誤りがないか不安があるといった場合は、スポットでの年度更新手続き代行もお受けしております。どうぞお気軽にご相談ください。

参考資料:
厚生労働省 令和8年度労働保険年度更新 申告書の書き方
https://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/hoken/kakikata/dl/keizoku-all.pdf

厚生労働省 令和8年度の労災保険率について
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/rousai/rousaihoken06/rousai_hokenritsu_kaitei.html

→令和8年度 労働保険年度更新|賃金集計のポイント

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