平均賃金とは【労務用語】

平均賃金とは、過去3ヶ月間の賃金支給額をもとに計算した「1日当たりの賃金」のことです。
会社が休業手当や解雇予告手当など法律上の手当を支払う際に、従業員ごとに計算されます。

平均賃金の計算式

【原則】
算定事由発生日以前3ヶ月間に支払われた賃金総額/3ヶ月間の暦日数

【最低保障(日給者、時給者など)】
1と2の高い方
 1 算定事由発生日以前3ヶ月間に支払われた賃金総額/3ヶ月間の暦日数
 2 算定事由発生日以前3ヶ月間に支払われた賃金総額/3ヶ月間の労働日数×60/100

算定事由発生日とは:
 休業手当…休業日(2日以上の場合は最初の日)
 解雇予告手当…従業員に解雇を通告した日
 災害補償…労災事故が発生した日、または業務上疾病が確定した日

ただし賃金締切日がある場合は、直近の賃金締切日から3ヶ月をカウントします。
20日締め・当月25日支払いの従業員に5月10日に解雇通告をした場合、平均賃金の計算に用いる期間は、「3月21~4月20日」「2月21日~3月20日」「1月21~2月20日」です。

平均賃金の計算例

以下の例により、平均賃金の計算をしてみましょう。

算定事由:6月15日~6月17日の3日間、会社都合休業をさせた
対象者:10日締め・当月25日支払いのパート従業員(時給者)
直近3ヶ月の賃金:下表のとおり

期間賃金)暦日数労働日数
5/11~6/10163,400円31日19日
4/11~5/10141,500円30日16日
3/11~4/10147,825円31日17日
452,725円92日52日


原則:452,725円/92日=4,920.92円 ※平均賃金は小数点3位以下を切り捨てます。
最低保障:452,725円/52日×0.6=5223.75円
最低保障>原則のため、平均賃金は、5223.75円です。

平均賃金算出の注意点

「直近3ヶ月の賃金」とは:
 ・基本給のほか、残業手当や通勤手当などを含みます。
 ・賞与など、3ヶ月を超える期間ごとに支払われるものは含みません。
 ・傷病見舞金や退職手当などは含みません。
 ・数ヶ月分の通勤定期代などが支給されているときは。1ヶ月分換算額で計算します。


月給者の場合は特に、自分の平均賃金を見て「えっ?こんなに少ないの?」と感じるかもしれません。これは、平均賃金の算定に「暦日数」が使われるためです。
「公休日にも賃金が割り振られた額」だと考えれば、理解しやすいと思います。

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